佐目小谷川・姫が滝
え〜滝が登れましたとよさ。
8/6
某フジモンさんの影響で単独大滝登攀を実践していた自分がとある沢からの転戦で訪れたのがこの姫が滝。昼スタートという舐めた態度で向かう。いきなり空中から始まり、滝の水を100%被る1段目の出だしを苦戦しながら何とかこなすも、中間部でワイドギアが必要なセクションが出てきて、弾切れで敗退。鬼の形相でクライムダウンをこなして、見えない3段目以降の解明のため、ゴルジュの側壁を懸垂する。と、想像以上に落差のある3段目と、間に不気味な釜を抱えて4段目の姿が確認できた。恐らく写真に収められたこともあまり無い地形だろうが、そのあまりに高いポテンシャルに驚いた。
京大WALLにて
けんじり先生と話をしていた時に、ふと姫が滝の事を思い出し、上部の写真を見せてみる。「知らない」。流石にね。と思っていたら数巡の間を置いて「姫が滝?」と。話を聞くと、5年前に一度トライして敗退していたらしい。でも俺が見せたのは直角に曲がっていて下からは見えない上部の写真。この人の脳内はどうなっているんだ。
10/7
けんじりさんと佐藤君と再訪。自分はウエットスーツを上半身しか持っていないので寒さがすごく不安だった。アプローチでアップと称して2級くらいの被ったボルダーを初登しといた。
1p目 けんじり
出だしの空中から始まる核心を、迷いながらも突破。その後は滝の全水量が降り注ぐチムニーを登ることになる。時折、水を被り過ぎて姿が見えなくなる。けんじりさんをもってして、「これまでの大滝登攀で一番水を被った」らしい。中間部でキャメ5番を使いながら完登。フォローしているだけで水が冷たくて手が悴んだ。つえー。
2p目 西村
懸案の2段目。オンサイトで水線は明らかにやばそうなので右壁に活路を見出す。出だしからいきなりの被った人工登攀。
さらに下開きフレークに入れたナイフブレードに乗り込む。因みにアブミ乗っている時に一回ズレた。その後は神輿で鍛えられたけんじり先生のショルダーを使って突破。最後に落ちたら確実にグラウンドなフリーで下部核心を突破。その後はフリーでランナウトしながらスラブと被ったクラックを超える。最後が落ち口に戻る10mほどのトラバースでここが核心。
プロテクションは浮いたフレークに決めた#0.2と、親指くらいの太さの藪のみ。ムーブは多分5.10+くらいかな。リーチの暴力的ガストンムーブを連発して落ち口へ到達。3段目の飛沫を被り続けるビレイポイントに1.5hくらいいるハメになって超寒かった。
3p目 佐藤
時間切れ。一段上がった木まで佐藤君がリード。ワンポイントいやらしいヌメヌメのスラブをノープロで登って懸垂。60mロープでジャスト1ピッチで降りられた。
10/14
敗退が悔しかったので次週に再訪。ここまで滝に通ったのは初めてだ。こんな寒いのに。今回はワンプッシュでの遡行を諦め、前回のハイポイントから再開。左側壁を懸垂したが、朝イチから目が覚める空中懸垂。凄いゴルジュだ。
4p目 西村
3段目の登攀。ホールドは多彩で楽しいが、逆層で支点が取りにくい。時々浮いている岩もあるので気をつけながら落ち口の木まで。
5p目 けんじり
最後の核心、4段目。当初想定していた右壁は、あり得ないくらい被っていてほぼ不可能。もちろん不気味な釜から摂理の無い滝身を登るのは人類には早すぎるようなので、左壁に活路を見出す。
最後の滝に合流するところが悪いらしく、激しい滑りと戦いながら、2割くらいしか入っていないアングルに乗り込んで突破!流石である。最後もチョックストーンに阻まれ、ウエットのフリクションを生かしたハイハイムーブでついに完登。
落ち口でしばし余韻に浸った後、前回の残置を回収しながら右壁を2pの懸垂で地上へ。途中でけんじりさんが誰かのドローンを拾っていた。
今回、大滝に関してはパッとしない滋賀県で、家からこんなに近いのに、ここまでの滝が未登で残っていることに驚いた。この日本でも、少し視点を変えて探してみると、まだまだパイオニアワークの余地は十分に残されている!と同時に痛感させられたのが、関西では登られているかはどうとして、けんじり先生の息のかかっていない対象を探すのは中々困難だということだ。
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