2020秋の瑞牆ツアー

日もずいぶんとみじかくなった初秋の今日この頃です。ヘッデン下山が風物詩と成り、ベストシーズンの足音が徐々に聞こえ始めています。期待に胸を踊らせながら裂ける指皮とまだヌメるホールドに翻弄されながらも確実にコンディションは良くなってきていますね。
瑞牆山は人間にとっては非常に過ごしやすくなっておりました。

Day0 9/18

京都to増冨のダムBB先輩がシュラフを忘れたことに気付く

Day1 9/19

屏風岩朝かなり雨が降ったがコンディションは良好。なばらー多し。BB先輩が百獣の王を3RPアルカイックスマイルお触り。疲れていてよれた

Day2 9/20

この日はもともと雨予報。朝になって曇り予報に変わったが、結局午前中はかなりの大雨が降った。kiyomi家、斎藤ご夫妻、野村さん、僕でASAKO邸にお邪魔する。暫し、ヨガレッスンを受ける。太陽礼拝🛐昼過ぎから屏風岩。マルボーさんは末端に行っちゃった。

Day3 9/21

十一面岩正面壁 ベルジュエールおかわりのデザートで末端のアストロドーム

Day4 9/22

カサメリ沢でエンクラ。昼過ぎには帰ったが渋滞に捕まった。駒ヶ岳~天理まで、合計30kmを越える渋滞と共にノンストップ。絶倫。

屏風岩 アルカイックスマイル 5.12a ☆

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5.10dのルーフクラックの後に核心の強烈なボルダームーブが登場。トリッキーな中間部を抜けると最後はプロテクションの取れないスパイシーな水平クラックをトラバース。内容の詰まった広く知られた名作である。
さらに上部大ルーフを右抜けする画竜点睛 5.12dが☆☆☆なだけに、☆評価だが、このルート単体で見ると他の☆☆☆ルートに劣らない素晴らしいルートである。 

Day1 9/19

OSトライでは、ルーフクラックは難なく越えたが、ボルダーパートの核心手前でテンションが入った。核心ムーブは5,6回ほどの試行で解決。その後の中間部はムーブを見つけるのに3トライほどを要した。水平クラックでも一度落とされ、右壁に叩き付けられた。それでも終了点までは到達。
試しで取りついただけで、ムーブが繋がるとは露ほどにも思っていなかった。自分のクライミングの総合力、特に解析力に自信が付いた瞬間であった。 ところが、カム回収と核心のムーブを確認するために出した2便目では、力が入らず、核心の前のパートでお手上げという情けないクライミングになってしまった。

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Day2 9/20

予報に反して昼まで雨が降っていた二日目。BB先輩はボルダーに出掛けていった。ASAKOさん邸に避難してヨガった後に遅い遅い出勤。
登りたそーーーだったマルボーさんは屏風に来る筈だったのに末端に。昼からなのに
愛好会でアップして1便目。ムーブ確認のつもりで中森さんにビレイしてもらう。
それでもしっかり液体チョークつけて、気合いを入れて足を振り上げる。
ハンドサイズならスクワマのトゥラバーが良い仕事をしてくれる。一手一手、魂を込めてジャミングをキメる。

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滑らかにニーバーを決めてカムをセット。ルーフ内の#4をバッククリーンして体を返す。足が下になり、当たり前のような重力の掛かり方に暫し安堵する。

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細かいフットホールドを拾いながら最適なスリットに指を入れ込んで行く。
確信手前の窮屈なハイステップもこなした。懸案だった二連ホールドに到着。第一候補のマッチを選択。小さいホールドを渾身のマッチで左右を変更。ついに核心に突っ込む体勢に入った。

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ゴミのような薄カチを握り混む。感触は悪くない。足を切って振り上げる。乗り込んで中継ホールド。後10cmでレストできる棚だが、前腕は限界を迎えてきている。

数瞬、重力が弱くなったのか。中森さんのガンバコールと共に出した右手が、次のホールドを捉えていた。

三撃。2便目は回収便のダメダメクライミングだったことを考えると、誇れる数字では無いだろうか。今の実力ならOSは残念ながら望めない。

その後の中間部では足がミシンを踏んでいた。パンプした腕をいなしながら気合いを入れてランナウトする水平クラックをトラバース。ビレイヤーは心配だったことだろう。スラブにマントルを返してポケットを掴む。

終了点にクリップした無機質な金属音と、僕の静かなる咆哮が、静かに、不動沢の底に溶けていった。

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十一面岩正面壁 ベルジュエール 5.11b Ⅳ 290m 10P ☆☆☆☆

今でも思い出す。その昔、ジムボルダラーだった頃。雑誌で南裏さんの「マルチを登ってみよう」的なコラムで知ったルート。登りたくって、某うー先輩にどうしたら良いか相談した記憶がある。月日は流れ、あの日夢見たルートをトライしに行った。

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前日の様子

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暁の瑞牆山

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5:00起床。モーニングコーヒーを嗜んで6:00過ぎにゆっくりと出発。体の調子は悪くない。

1P目 5.11b (face)  BB

ルート中の核心ピッチ。凹角からスラブに飛び出る。微妙なポケットを繋いでいく好ピッチ。BB先輩がギリギリOS逃してかなり引きずっていた。僕はノーテンフォロー。

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2P目 5.10a~5.8 (slab) Nishi

出だしでかなり嫌らしいスラブを越える。その後は適当に60m伸ばせるだけ伸ばしてハンドクラックの下でピッチを切る。ロープ重すぎて死にそうだった。

3P目 5.8 (crack) BB

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本当の4p目の後半部分のみ。綺麗な美味しいクラック。上部ハイライトフレークも継続したかったが、傾斜が落ちるので断念。シロクマのコルでピッチを切る。BB先輩が立ち○ョンかましていた。

貪るようにフィーディング

4P目 5.10a (frake) Nishi

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5p目にあたるハイライトピッチ。内容は、ただ、気持ちいいだけ。イケイケ

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5P目 5.8 (chimney) BB

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ノープロチムニーまぁ、何とかなる。フォローの荷物は軽く荷揚げ。

6P目 (cont.)

歩くだけ

7P目 5.10b (crack) Nishi

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逆イの字のクラック。ただ、気持ちいいだけ(二回目)5.10bも無いと思う。落ちる気配すらなし。

8P目 3rd.~5.8 (cont.~crack~slab) BB

実際の9と10pを継続。リッジ歩きから被ったパワフルなクラックを越え、ダメ出しのスラブを越えたらそこは十一面岩の頂上もいうウィニングランなピッチ。

この辺りで近くにヤバそうなルーフクラックを発見。

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十一面岩頂上にて

○下降はシロクマのコルまで3Pの懸垂。謎のフレークにロープかスタックしてガン萎えしたのでそこからは歩いて下りました。
取り付きから頂上まで6.5時間。下降まで含めて9時間ほど。初めての場所だったがもう少しスピードアップできそう。

その他

十一面岩末端壁 アストロドーム 5.11a ☆☆☆

ちょうど一年前。本格的にクラックをやり始めてまもない頃。ペガサス1P目をオンサイトして気前がよくなった僕は5.11の世界が見てみたいと思って取り付いたのがこのルート。有り得ないくらい何も出来なかった。トップロープでドテンションの嵐でようやくトップアウトした。


今回はベルジュエールを登ったあと、18:00を過ぎて薄暗くなり、末端に巣くうコウモリがキイキイ言わせながら飛び出る頃、1便目でRP出来ました。

核心は問題なかったが、上部でよれて少し危なかった。
そして安定のヘッデン下山。おかわりが重すぎて大ダメージ

カサメリ沢 コロッセオ 真実の口 5.10d ☆☆☆☆

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☆☆☆☆の5.10台のオンサイトトライなんて、人生でそうざらにあるもんじゃない。藪先輩やBB先輩もオンサイトに失敗してるということでビビって取り付く。上部でストレニュアスなパートが現れ、最終日だからかかなり腕が張ったが、無事オンサイトすることができた。

総括

今回はショートルートで成果を上げることが出来たのに加え、積年の夢だったベルジュエールを完登することができた。ピッチ数としては過去最長ルートであり、これからへの展望と布石を打つことが出来た。やっとクラックも登れるようになってきた。理想のクライマー像に近づいた手応えのある非常に有益なツアーであった。
もう少し、登ろう。名張に赴き、柱状節理に張り付いてみよう。今は確かな手応えを感じる。もっともっと、強くなろう。
ロッククライマーとして!

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