190511 七面山南壁開拓 最終山行

遂にこの日がやって来た。
とは言っても僕はこの奇跡的にも現代に残されていた壮大なプロジェクトの半分行ったかどうかなのだが、それでも金曜日の授業終了後に奈良に飛んで眠い目を擦りながら歩荷し、秘境のビッグウォールで開拓のお手伝いをさせて頂いた。(足を引っぱっていなかっただけが心配だが…)
これは、今までのスタイルとは一線を画するもので、クライミングというディープな世界の奥深さを感じとることも出来た。
僕の記憶からは絶対に消えることの無い素晴らしい思い出だ。

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今回の作業はこの岩壁に残置された膨大な量の開拓用FIXロープを回収すること。
長らくお世話になったロープを回収し、真にルートとして完成させ、また、けじめをつける、終わりを告げる、そういう山行でもあった。
例によって下市口集合。22:03下市口着の電車があり、毎回橿原神宮前で何気なく仙田さんと合流し、待っていたら馬場さんの軽バンがやってくる。
オークワ五條店で買い出しし、登山口へ。テントを張って皆は酒盛り、僕は就寝。大体1:00くらい。
繰り返された動き、馴染みのある雰囲気。
やっている間は何も感じないが、終わってみると僕なりにがむしゃらに頑張っていた頃を懐古し、何とも言えない感じが込み上げる。
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ヘッドウォール上部より。大分緑も濃くなった。昔は下の地面がはっきり見えた。
やはりここは、何度きても度肝を抜かれる。
石をほったら粉砕音が聞こえるまで6秒ほどかかる。重力加速度を10m/s^2として音速(340m/s)を無視しても360mか。
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軽く掃除をしながら下降。今回は僕と仙田さんでヘッドウォールの最下部、いや、下部岩壁まで下降して、ロープを回収しながらユマーリングする。
ハードな1日になりそうだ。
RIMG3944 時たまこうして浮いてるボルトがあるのでしっかりと増し締めする。
皆さん、安心して落ちてください笑
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これを全て回収する。
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ヘッドウォール最下部。この岩で、300mある。
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このあと、ここは爆撃訓練場所になります。(落石の雨)
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ユマーリング、ユマーリング、ユマーリング。ひたすら全身運動
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このあと、手だけでロープ300m以上ロープアップした。六本連結されていた。
マイトラ欲しい…
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ヘッドウォール上部、cont.にあるプレート
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ヘッドウォール最上部。七面山南壁の終了点に設置されたプレート。僕も含めた開拓協力者の名前が刻まれています。
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この後は全てのロープを肉歩荷。合宿の荷物より重い…
数多に渡る開拓、荷揚げ作業により蓄積されたロープの膨大なる位置エネルギーを運動エネルギーに変換することなく下ろす。
つまり、投げ落としたい
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山頂の時点でこの夕日。綺麗だが、綺麗なんだが…
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こうなります。
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そして盛大なる焼き肉パーティー。22:00くらいから開始。
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まさにどんちゃん騒ぎ。花火なんて何年ぶりだろう
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センシティブな線香花火もいとをかし
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翌日
荷下げした全装備
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アホみたいな量のロープ
とうとう全ての作業が終わってしまった。僕にとってはきつかったが、搾り取られた数珠のような時間であった。無数に散りばめられた可能性に胸を踊らせながら、僕は今日も登り続ける。
―完―

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