ミティゲーションが登れた

mitigation:緩和、軽減

月が綺麗な夜だった

マットを畳む

でもそれは、登れた時のそれとはまるで違う

辛く、重い現実を、自分の中に植え付ける行為だ

不意に、口から逆流した胃液が溢れ出す

誰もいない、真っ暗な川べりで私は独り、嗚咽を繰り返した。

曰く、敗軍の将、兵を語らず。

自分の人格をも否定されるのではと言うほどの敗北感

自然を前に、全てが私に侵入してくる

俺は弱い

やはり弱い

でも弱い

だから弱い

とことん弱い

攣った左足、痛めた右肩と左肘、裂けて流血する小指、苛まれた精神

嗚咽が、止まらない

是非でもない

私を取り巻く闇の延長線上に、追い求めて取りこぼした現実が人知れず溶け込んでいくのであった。

 

京都笠置

ミティゲーション

トライ日数

4日

目標がまた一つ、登れた

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