【雨の読書4】方法序説

1637年に、「我考える、故に我あり」で知られるデカルトによって著された本書(原題:DE LA METHOD)は、今を生きる学徒にとっても、十二分に染み渡る内容になっている。

特に、デジタルネイティブ第0世代(a.k.a. genZ)にあたる我々にとって、情報が飽和し、異常な速度で流れるこの令和だからこそ、「理性」を保ち、「真理」を追求する必要性が高まっていると感じている。

また、本書に限った話ではないのだが、哲学的思考は、登山などのアウトドアで要求される論理的思考のプロセスを構築する時の一助となると思っている。

特に前半では慣例についての取り扱いが幾つかなされている。登山は経験がものを言う。ただし、高みに行くときに、その経験が足枷になるパターンがあることもまた然りである。勿論、インプットされた全ての情報を鵜呑みにはせず、客観的視点を持って評価することの重要性は言うまでもない。全6章のうち、私が彼の思考の核心的な部分に迫れたと感じたのは2、4章であるが、そこで、習慣や実例がどんな確実な知識よりも私たちを納得させる、という彼の考えが述べられている部分は、腑に落ちるまで考えてみることをお勧めする。

他方で本書を読了して驚かされたのは、筆者の科学的知見の高さである。17世紀にこれほどまでに発展した科学、特に数学の代数学(+解析学)と、マクロ生物への解像度の高さに驚かされた。とにかく、読み進んでいくうちに分からなくなって少しずつ読み返し、一つの章を読み終わってもまた前の章を少し確認したくなるような、なんとも言えない味わいのある本だった。

永遠に生きると思って今日を学ぼう。

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