冷酷 後日譚

はいさーい

あまりにもブログを放置しすぎていた、、

ということで後日譚シリーズ(化するかは不明)第二弾。

第一弾はこちら↓

さて本題。

この前の4月23日に、武庫川ボルダーの冷酷が登れた。

正直、なんでお前が登れんねんって感じだと思うが当の私もなんで俺が登れてんって感じである。

2021年12月2日に初めて冷酷のトライを開始し、2022年4月23日に完登するまで、14日間を要した。これまで、ボルダリングの課題として1番日数がかかったのは京都笠置のミティゲーションである。こちらは4日間だった。

つまり、自分はこれまで本当に難しいボルダー課題と真剣に向き合い続けたことはほぼない。三段もロクに登れていないのに冷酷を打ち込むとは、何をとち狂ったのだろうか。

それはやっぱり、少しでも可能性を見出してしまうと全力で追い縋ってしまう、クライマーという哀れな生き物の性なのかも。

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ゾンビになって

冷酷ゾンビという物体が存在する。兵庫県宝塚市武田尾周辺に出現し、歩調定まらず、目元も虚で瞳孔も開きかかっていることで知られている(?)

冷酷“のトライが10日目を超えると人はしばしばゾンビと化し、日常生活を含めあらゆるものを蔑ろにし、地下鉄のホームで歩きスマホ中のJKばりに視野が狭くなる。

そのゾンビに、なってみた

いや、これはきっと正しい表現では無い。

湧き出る衝動に突き動かされるうちに、己をゾンビに仕立て上げていた。

冷酷を登りたいからか、四段クライマーと人に自慢したいからか、果たして。

自ら作り上げた己のゾンビは、真の自己に相違ない。

日常ではありえない状況下で自分を感じることは、ボルダリング、いやフリークライミングに限らず全ての登攀行為の真髄と言っても差し支えないと思う。

外的危険や不確定要素を極限まで排除した最もシンプルなクライミングスタイルであるボルダリングで、ここまでの感覚になれるとは。

むしろボルダリングだからこそ手軽に打ち込み、全てをコントロール下に収める過程を遂行できるのだろう。

冷酷に打ち込んで、本当に色々なものを得た。

トゥフックは信じられないほど上手くなったし、体幹の重要性も痛感した。岩のコンディションの合わせ方や用具に関しても、考え抜いた故に私の血肉となった。

不謹慎な喩えだが、近代史において、科学技術の飛躍的な発達の裏に、戦争での開発競争があったように、、

それ以上に、前述したような自己の実感というのが、今回のゾンビ化(笑)で得られた最大の要素であると思う。

ギアについて

ギアと言ってもボルダリングはシューズとチョークしか使わない。でも使う道具が少ないからこそその1つの影響というのは計り知れないものがある。

冷酷の場合は特にムーブが非常に得意であるため、シューズの特性は大きく影響する。

私のムーブでは、手数がリップまでで9手、足も同じように9歩(と呼べるかは分からないが)であり、その9つのうち7歩くらいは足が手よりも上にあるという足先行ムーブであった。また、核心左手ピンチどりのトゥフックが、距離が遠いことと、トゥが抜ける方向に動くことから最大の核心となって立ちはだかったのだ。

この課題は左トゥの掛かりが全てを決するといっても過言ではない。今回試した靴は以下の通りである。

  • ソリューションコンプ 38.5
  • スクワマ* 39
  • セオリー 39
  • インスティンクトVS 40
  • その他諸々のトゥがかかりにくい靴。

(ドラゴ系は足形が合わないので履けてません。良いかも)

ということで散々試した挙句、スクワマで登ったのですが、このスクワマは条件付きで、

散々履きまくって履きまくってヘタヘタにしたのちに鍋で煮た後に追加でトゥラバーを貼ったっていう異次元スクワマです。
これはもう殿堂入りです。

正直ここまでやる必要があったかというと全然そんなこともないんですが、これによってあのセオリーを超えるほどのトゥフック性能を叩き出した。スクワマ恐るべし。ヒール以外は。ヒール以外は。(重要)

因みにチョークはフリクションラボのバムバムでした。この辺は個人の好みがあるでしょうから。

コンディションについて

これは非常に重要な項目である。

これほど打ち込んでも武庫川のコンディションの真の掴み方は分かっていない。一つ言えることは、ナイトを含めるとこの岩のシーズンは相当長いということだ。逆に真冬は風が強い時は体が暖まらずに結構厳しい戦いになることがある。風が結構吹き抜けるため、逃げ場がない感じ。

ただ、今年は三月も中盤になると昼間は太陽が照って暑かった。こちらも風次第という側面が大きいが、快晴の日は日中は避けた方が無難。結構日が当たるので。

朝活か夜練か、昼寝前提で向かうかって感じ。

ただし夜は、気温の低下とともに湿度が上昇するので、そのタイミングで滑ったり、結露したりということが多々ある。ただ、こちらも同じ夕方のタイミングで、川の上流から良い風がスーッと吹くことがある。こうなると湿度が取れて絶好のコンディションが整う。

武庫川最大の敵である結露を防ぐには、自分の手の表面温度を下げるのが有効である。岩肌が自分の肌より冷たいと、その温度差で一気に露点に達し、結露するのである。因みにこれはどんな外岩でもそうなのだ。

武庫川七不思議の一つ。突然のゲキ結露

また、この岩はルーフになっているため、扇風機は非常に有効なアイテムだ。試しにスタートよりさらに奥に入り込んでみると、その中の空気の冷たさに驚くことになるだろう。奥に置いて冷たい空気を送ってやるのが有効。

ブロワー大好きなサイコパスBB先輩

また、気温はやはり都市部に比べて幾度か低く、また、「武田尾」地点の気温よりさらにもう少し低い印象。だから5月とかでも遅い時間なら全然勝負できる。

ナイトのコンディションは非常にややこしい。

理論上は夜間は湿度が上がるはずだが、その湿度が結構細かく時間変化する印象。当然、風の影響も大きい。

個人的に条件が一番良いのは日没後よりも深夜帯。23:00以降だが本当のことを言うと1:00とか。ほんとにこの時間帯になるとフリクションが二段回くらい増すイメージ。

ここを狙うとなるともう岩場泊かオールナイトってことになるのでなかなかキツイですが一度は体感して欲しいと言うのが正直なところ。

逆に朝は割とイコールコンディションな印象。春であれば、日が上がる10:30くらいまでの勝負になるはず。


次ページよりトライの記録。ムーブ記載があるのでご注意ください。

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